飲食店の方々には一番馴染みがある言葉なので「粗利益」の話を先にしてしまいましたが、どんなビジネスでも、継続的に発展させるためには、商品の価格をどのように設定するのかを考えないといけません。
これは飲食店経営でも例外ではありません。
「利益」を確保するためには、まずは儲けのしくみを基本から理解しておく必要があります。
儲けの仕組みを理解する
「利益」を確保するには、当然「売上」を上げなければなりません。
飲食店の売上は、「客数×客単価」で求められます。
客数とは、来客数、客単価とは1人のお客様が支払う金額の平均です。
これで売上金額が出せますが、当然この額イコール利益ではありません。
売上金額から材料費や人件費、家賃、光熱費などの経費を差し引いて、ようやく利益額が出ます。
こんなことは、すでに店舗を経営されている人にとっては当り前のことですから「何をいまさら」と思うかも知れません。
でもこの当り前のことを、どのような観点から見直していくかが店舗経営が成功するか否かの分かれ道になります。
「売上-経費=利益」 は結果論の利益
店舗経営を考えるとき、普通は「売上-経費=利益」と考えるものです。
しかしこれは、「売上が〇〇万円いった。経費が〇〇万円かかった。
結果として差し引き〇〇万円利益が残った」という経理的な考え方であり、「結果論の利益」なので経営ではありません。
「売上-利益=経費」 は長続きしない
「売上-利益=経費」
これは「売上が〇〇万円いきそうだ。利益は〇〇万円必要だ。
だったら、経費は〇〇万円に抑えないといけない」という考え方です。
前の式(売上-経費=利益)よりは利益志向ですが、経費を抑えて利益を出す考え方なので、瞬間的には利益が出ても長続きはしません。
なぜなら、経費は売上を上げるために使うものだからです。
経費を過剰に抑えると売上ダウンにつながることもあります。
そうなると、さらに経費を抑えなければならず、「売上が下がる→経費を下げる→さらに売上が下がる→さらに経費を下げなければならない・・・」という負のスパイラルに陥ってしまうこともあります。
「利益+経費=売上」 が経営としてのとらえ方
「利益+経費=売上」ととらえるようにします。
経営計画は利益の設定からスタートさせます。
前述のように、経費は売上を上げるために使うものですので、必要な利益と必要な経費から必要な売上(目標売上)を導き出し、そのための戦略・戦術を策定することが本来の経営です。
とはいえ利益さえ出ていればよいかと言うと、そう単純ではありません。
たとえば、収支がトントンだった場合は、お店は継続させられますが、もし何らかの原因で経費がかさんだ時などは、赤字に転落する危険性があります。
それを避けるには、出来れば、「10%程度の利益は確保」しておきたいものです。
「自己資金ゼロでも開業融資成功」のページはこちら
「開業資金額が甘過ぎて失敗!」のページはこちら
「創業計画書のポイントは」のページはこちら