美容院の形態を法人(有限会社や株式会社)にするか、しないかで届出や税金の細かいことなどは変わってきます。
これから開業しようと思われている場合、多くは当分の間は、「自営業(個人事業)」とされる方が多いでしょう。
■個人事業の開業届
税務署に「開業届」をだす必要があります。
これは営業許可のための届出とは違い、
「これから、自分で仕事を始めます。お金を稼いだらちゃんと税金も収めますよ!」
と宣言するための届出です。
所管の税務署に、「個人事業開廃業等届出書」を提出します。
従業員を雇う場合は、「給与支払い事務所等の開設届出書」も提出しましょう。
■理・美容所開業届け
美容院・理容室については保健所に開設届を提出する必要があります。
店舗イメージが必要ですから、レイアウト・内装デザイン決定後に届出となります。
提出期限は、開業1週間前まで となっています。
店舗デザインが決まった時点で届け出を済ませましょう。
【美容室開設の条件】
- 消毒設備を整え、器具などの衛生性を高める(薬物消毒、紫外線消毒、蒸気消毒など)
- 採光、照明及び換気を十分にする
- 区分された作業場及び待合所とし、住居等と区画する
- 作業場の面積を13m2以上とする(地域により異なります)
※その他、都道府県別に追加・変更要件があります
【提出書類の種類】
- 美容室開設届出書
- 美容師免許証(原本を提示)
- 保健所検査費用(管轄保健所により金額が変動します)
- 店舗レイアウト図
- 店舗の周辺案内図
- 従業員名簿
- 登記簿謄本(法人の場合)
※その他、都道府県により一定の書類が要求されることがあります
なお、エステサロンについては特に所轄の管理部門というものがありませんので、特に届出の必要はありません。
■労働保険(労災保険・雇用保険)
スタッフを雇う場合、1人でも雇用していれば労働保険に加入する必要があります。
労働保険は強制加入であり、万が一実際に労災が起こってから初めて加入し、故意に加入手続きしなかったと認定されれば、従業員に労災保険から給付した費用の100パーセントが費用徴収されます。
(強制徴収ですので財産差し押さえの対象にも!)
ですから、なるべく創業時に加入しておくことをオススメします。
■社会保険(健康保険・厚生年金)
社会保険は、法人の事業所であれば全て強制加入となります。
また、個人事業の場合も特定の業種を除き、常時5人以上の従業員を雇用する場合は、強制加入となります。
しかし、社会保険は会社が半額保険料を負担する上、保険料額自体も安くないので、正直なところ未加入のままの事業所も多く見受けられます・・・
ただ、これらの理由があるからと言って社会保険に加入しない正当な理由にはなりません。
社会保険はスタッフが安心して働ける労働条件の一つであり、賃金の一部として、事業運営上の経費であると考え、事業計画を立てる必要があります。
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