【成功事例】
~気合い勝ちしたラーメン屋さん~
ラーメン店開業希望~同じ条件のお2人の違い
ある日、「ラーメン屋さんを始めたい」というAさんがご相談に来られました。
そして、時期は違いますが、Aさんとはまったく関係のないBさんという方で同じような状況の方も、ラーメン屋開店のための融資相談に来られたことがあります。
【自己資金】 100万円
【必要資金】 600万円
【融資希望額】500万円
ところがAさんは見事、融資を受けて開店にこぎつけた。
Bさんは残念ながら、融資を受けられませんでした。
お二人の違いは、「気合い」
Aさんはとにかく熱かった。
麺、スープ、メニュー構成、店舗イメージ、ターゲット層etc…。
事業計画書のためのインタビュー時、私どもはもう何度、あちこちへ無限に広がるAさんのお話を軌道修正したか、というくらいアイデア頻発。夢、語りまくり。
かたやBさん、開店にかける気持ちが、Aさんと比べるとかなり消極的だった、という印象です。
でも、前述しましたように、条件はお二人ともほぼ同じ。
私どもが書いた事業計画書にも、あまり大きな差はありませんでした。
ということは、融資が受けられるかそうでないかの分かれ目が、今回は「気合い」だった、ということになりそうです。
ではその「気合い」が、どこで功を奏するか。それは、融資担当者との面接時です。
Aさん・Bさんとも、こっきん(日本政策金融公庫)に融資申請しています。
その手順を簡単にお話ししますと、
- 必要書類を持って申請する
- 後日、面接を受ける
という2段階に分かれます
熱く語ったAさん~融資を成功に導いた熱意
申請する日は、提出書類に不備がないか、といったチェックだけで10分、長くても20分もあれば済みます。
ところがAさん、1時間半くらいかかったとのこと。後で話をきけば、熱く語り過ぎてしまったとのことです(笑)。
Aさんには、ラーメン屋さんをどうしても「できるだけ早く」立ち上げなければならない理由がありました。
というのも、店舗物件について、ふつう申請時点では手付金を払っている程度で十分なのに、Aさんはもう賃貸契約書にサインしていたのです。
こうなると早く開店しなくては、無駄に賃料を払い続けることになってしまいます。
「でも契約なんかしちゃって、融資が受けられなかったら…」と心配したら、
「何が何でも開店します、遠い親戚に借りてでも」とのこと。
先に物件を契約してしまうと、自分で自分を追い詰めていることになるので私どもは決してお勧めはしないのですが、でもそれだけAさんの意志が固い、ということのあらわれではあります。
という事情もあって、Aさんは申請時から語って語って語りまくり、融資担当者を口説いて、通常、申請から1ヶ月以上は待つ面接日を、2週間先に設定してもらうことに成功しました。
熱意不足だったBさん
対するBさんは「そろそろ独立でもしようかな、それなら以前働いたことのあるラーメン屋でも」といった程度の動機。
お店のアピールポイントやこだわりなどをお聞きしても、あまり具体的な話が出てこない感じでした。
そんな状況でもBさんのヒアリングをもとに私がなんとか事業計画書のタタキ台を作ったのですが。
ただ、担当者からの申請時のちょっとした質問と面接時のドンドンツッコまれていく鋭い質問に対しては嫌気がさしてきたらしく、最後は気持ち的に投げやりな感じになってしまった、というのを後々話されていました。
●結論 【気合いがあればどうにかなる、こともある】
融資のキモとなるのは、事業計画書と申請後にある面接。
この2つのうち私がお手伝いできるのは事業計画書だけで、面接は当然ながら、ご本人に受けていただかねばなりません。
そこでどれだけ、事業に対する熱意を担当者に伝えられるか。
ロールプレイングは事前にしっかり行うようにしています。
「こう訊かれたら、こう答えましょう」といったようなことです。
が、当然、最終的にはご本人の熱意。
Aさんはよく口癖のように、「石にかじりついてでも」「何がなんでも」
開店する、とおっしゃっていました。
物件を契約した上で申請に臨み、面接日を早めに設定してもらい、その面接日にも当然ながら、自分の熱意をとうとうと語る…。
それがAさんの「気合い開店」につながったのでした。
「気合い」はしばしば有効。
たとえ条件が多少厳しくても、なんとかなる場合もあるのです。
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