「日本政策金融公庫」や「保証協会」に融資を申し込むと、約1週間くらいで面談の要請があります。
面接で見られること
預金通帳の提示を求められます
面談で何をするのかと言うと、まず「預金通帳」の提示を求められます。
「預金通帳」に自己資金がどれだけ入っているのか、その自己資金がどういうお金で、どこから流れているのかをチェックする訳です。
そして「公共料金」等の支払い状況もここでチェックします。
この作業は法人として融資申請した場合でも、代表者の「預金通帳」の提示を求められますので、個人・法人に関係無く行われます。
売上が上がる根拠の説明を求められます
あなたの創業(開業)動機を持って本当に事業として成立するかどうか、冷静な視点で考え裏付けられているかがポイントです。
業種の成長性、あなたの経験・スキル、人脈形成など、「こういった理由で売上が上がる(儲かる)=だから、融資して頂いたお金は返済できます。」ということを伝え、融資担当者に理解を得られるようにしなければいけません。
また今まで働いていた業種と違う事業を開始する場合、例えば経理一筋20年のサラリーマンが一年発起して飲食店を開業しようとする等、本当に成功するかどうかわかりません。
「融資さえして頂いたら絶対に成功します。だから貸して下さい。」なんて、熱意だけでお願いしても、ダメです。
きちんとした理由を説明しなければなりません。
熱意はあって当然です。しかし、利益が出なければ事業として成立しません。
日本政策金融公庫としては、貸し倒れだけは回避しようとします。
担当者は、「この人には融資してあげたい」と思っても、ビジネスモデルが悪ければ融資しようがなくなります。
あなたにいくら経験やスキルがあり、成長している有望な業界であったとしても、初めて事業を始めた人が全て成功すると言えません。
起業(創業・開業)して1年で廃業する率が約40%、10年後の存続率は約20%といわれています。
その失敗してしまった方々の原因は事前準備が圧倒的に不足していたということです。
ですからあなたは経営者として、どのような方針と計画をもってビジネスに取り組んでいくという決意を、明確に説明できなければいけません。
人間性を見られます
そして面談時にされることのもう一つが、あなたの人間性の確認です。
少々大袈裟な表現になりましたが、つまり、面談時におけるあなたの答弁等を通して感じられる印象を確認しておくのです。もちろん、一度会っただけであなたの人間性のすべてが分かるはずはありませんので、当たり前に接していれば特に心配することはありません。
しかし・・・
これから行うその事業に対する情熱や熱意といったものは伝えなければいけません。
熱意のない人=やる気が感じられない人に、誰がお金を貸すでしょうか?
いくら日本政策金融公庫(旧:国金)が公的機関といっても、貸してくれて当然みたいなやる気ない態度で臨めば、誰がお金を貸すでしょうか?
これから創業(開業)融資を受けようと考えているあなたは、経営者(社長)です。
慣れない面談で緊張をしても当然かもしれません。
堂々とした態度で「この人に融資しても大丈夫」と思われるような経営者として面談に臨んで下さい。
担当者は創業(開業)動機を聞くことを通じ、そして同時にあなたが経営者としての資質(情熱や熱意そしてビジネスに対し厳しい目線を持っているか)を、担当者は確認しようとするわけです。
しかし、面接といっても、採用試験の面接みたいな緊張する場ではなく、和やかなムードですすんでいきますので、安心して面接に臨んでいいというのも事実です。
融資担当者も、あなたの融資を断るために面接を行うのではなく、的確に事実を把握するために面接を行うのです。
面接では堂々と対応したらいいのですが、
「面接でこんなこと聞かれたら、どう答えたらいいの?」
「面接でここを聞かれたら困るんだけど聞かれることはあるの?」
などということは遠慮なく以下に電話して聞いてください。
面接時のタブー
◆非常識な服装で行かない
常識的な服装は最低限のルールです。
金融機関では身なりについてもチェックしています。
不信感を持たれる外見はそれだけで、マイナスポイントとなってしまいます。
面談に臨む時は身ぎれいな常識的な服装を心がけましょう。
男性ならスーツを着ておけば間違いはないと思います。
◆担当者とはケンカしない!
担当者との打合せの際に、せっかくのアドバイスを素直に聞かず、反論ばかりしている人。
言語道断です。
このような人に限って、自分の都合ばかり主張します。
そしてあげくのはてに口論となって、ケンカごしという事になれば、The endです。
確かに腹の立つ言い方をされる時もあるでしょう。
しかし、そこでケンカになれば融資の可能性はなくなる事を肝にめいじましょう。
もし、カッーとなったら、冷静になって素直に出直すのが一番よい方法です。
◆聞かれた事についていい加減なことをいう
適当なつじつま合わせをしたり、嘘を言ったりするのは、とても危険です。
嘘は百戦錬磨の金融機関では通用しないと思った方がいいです。
たいていは、内容を細かく検査していくとわかってしまうものです。
計画の内容を良く見せたいと思ってついた嘘で、相手の信用を失ってしまっては元も子もありません。
もし、わからない事を聞かれたなら、
「一度帰って確認してきます」
と言えば大抵の事はすんでしまいます。
後々の問題を生まない為にも気をつけましょう。
面談はあなたの人間性を見るために行うのだということを心に留めておいて下さい。
なんといっても、ビジネスにも人が重大なカギを握るのですからね。
◆しゃべり過ぎないこと
「聞かれてもいないことまで何でもかんでもベラベラとしゃべらない」ということですね。
担当者がわからないことはもちろん質問してきます。質問がないのにこちらからペラペラと話すのはやめましょう。これは多くの方がやってしまうので注意が必要です。
「聞かれたことだけ答える」このスタンスが大切なのです。
これまで、自らしゃべりすぎて、「そのことを言わなかったら融資できたのに・・・」と面談の際に担当者に言われた事例もあります。
あと、「しゃべりすぎ」で多いのは、自分がこれから売りたい商品あるいはサービスについて20分以上もひたすらしゃべり過ぎることです。担当者はうんざりしてきます。
これらの面接の結果を申請書類に上乗せして、決済部署へ送られ、そこで融資実行が決定されるという流れです。
面談ですべてが決まる訳ではありません。
あくまで「事業計画書」でわからない部分の補足という位置付けです。
面接では堂々と対応したらいいのですが、
「面接でこんなこと聞かれたら、どう答えたらいいの?」
「面接でここを聞かれたら困るんだけど聞かれることはあるの?」
などということは遠慮なく以下に電話して聞いてください。
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